12日05:00起床。風は相変わらず吹いています。少弐公園のキャンプ場と清石海岸の
海水浴場を視察に日の出とともに自転車で出発します。クルージングでの足に自転車は
重宝します。折り畳め軽量で変速機付きが望ましいです。
少弐公園は小高い丘にあります。スマホの地図を頼りに坂道を登って行きます。
約10分で到着。景観の素晴らしい芝生のキャンプ場です。
清石海岸へ向かいます。登ってきた坂道を快適に下って行き、emilyを係留している
芦辺港を通り過ぎ清石海岸到着。少弐公園から20分、係留地からだと15分ぐらいです。
波消しブロックに波が打ち寄せています。漁師の方がお散歩されてましたので少し
対話しました。「どこから来んしゃったと?」『福岡からです』「昨日は何処に
泊まったね」『ヨットで来たのでヨットに泊まりました』「昨日来たとね。昨日は
荒れちょったろ、今日帰るとね」『はい、明日でも良いのですが、明日も荒れそう
なので迷ってます』「今日は荒れちょうき、気を付けて帰らなね」『ありがとう
ございます。ところで前に見える島は何て云う島ですか?』「あれは小呂島やね」
『えっ、小呂島ですか?』「福岡から見るのと違かろう、こちらから見るのと」
確かに壱岐から見ると横長く、直ぐ近くに見えます。後で分かるのですが
ビックリするほど視界が良かったのです。信じられませんが沖ノ島が見えてました。
7時過ぎ、emilyに戻ります。パソコンを開いて今日の風を確認します。
風はこのまま吹き続け、少しだけ弱くなるのが10時頃からで14時過ぎには更に
強くなりそうです。港から沖を見ると白波とうねりがハッキリと確認出来ます。
コーヒーとパンで朝食を取り、この風の中どうやって離岸するかを考えます。
風は北東で桟橋に係留してるemily側から吹いてます。二人居れば難無く離岸
出来そうですが、一人だと簡単には行きません。emilyが風で桟橋に押し付けられて
いるからです。
オートパイロットオフでティラーを30度程沖に向けて固定します。スターンの舫い
だけを残し、離岸と同時に抜けるように舫い、エンジンをバックに入れ後進。
バウ側が桟橋に接触しないようにボートフックで艇から桟橋を押すことにします。
果たして上手く行くだろうか?と心配です。風は14~16ノット前後でemilyを
押してますしブローは18ノット越えです。
10時まで待ちましたが、風は一向にやむ気配はなく…ブローは20秒間隔から10秒
間隔へと逆に短くなってます。10:30これ以上は待てません。更に強くなる14時
までには玄海島に着くためです。離岸を開始します。帰港を決めたきっかけは
20分前に3隻の漁船が港から出航したのです。漁船が出ると云う事は問題なし?
って思いましたが、港から出た漁船はうねりに上下してて躊躇してしまいます。
ブローが過ぎた後に考えた手順で開始、ボートフックで押しますがブローに押され
emilyを桟橋より離すことは無理。直ぐに艇から降り桟橋から押します。そのまま
押し進めながらバウが当たらないと思った瞬間にemilyに乗り込みます。この間
色んなことが頭の中を過ります。《もし乗り込めなかったらどうなるのだろう?》
《大事になったらどうしょう!》無事に着岸出来ホッとします。
港内ですが、オートパイロットにしてフェンダーの取り込みをしたいのですが
前から漁船が入港して来ました。そのまま進むと突然左に進路を変え私の前を
横切ります。こちらも直ぐに左に回避。オートパイロットで作業してなくて良かった…
港を出てうねりが少ないうちにフェンダーの取り込みを行い、セールUPをしようと
しますが、外海のうねりは半端ありません。メインセールをワンポイントリーフで
セットしてましたが、メインは揚げずにジブ100%+機走で帰ることにしました。
前回クルージングの教訓で無理をしない、安全第一で帰港します。機走を加えたのは
せめて14時30分までには玄海島に達したいとの思いからです。
針路を111°に合わせるとバウの先に玄海島が見えます。『えっ?玄海島?』と
GPSで確認すると間違いありません。烏帽子島もはっきり見えます。
朝、清石海岸でのことを思い出し、今日の視界は最高なんだと改めて感じました。
目標が見えるとセーリングは楽です。GPS地図やコンパスを見ることなく針路を
取れます。何とかクローズホールドでタックすることなく機帆走出来そうです。
途中、うねりにバウが叩かれスプレーを何度も浴びました。風が強く陽射しも弱いので
スプレーを浴びると寒くなります。山用ウェアーを着てますので風で直ぐに乾きますが
乾いたころに容赦なくスプレーを浴びてびしょ濡れです。レインウェアーをキャビン
入口に置いてますがうねりでオートパイロットをセットしてもコースを外れエラーに
なってしまうのでセット出来ません。スプレーを浴びないように当て舵を打って対処
しますが、ちょっとでも油断すると大粒のスプレーが降り注ぎます。
シングルでセーリングしてると相棒は艇のemilyです。スプレーを浴びると『塩だらけに
なったね。ごめんごめん、次は気を付けるからね』うねりを上手く熟すと『その調子
その調子、emily完璧!』と言葉を掛けます。emilyに云ってるのですが自分自身に
言い聞かせているのです。トイレに行きたくなりますがティラー操作でコクピットから
離れられず… 14:20うねりと格闘しながら玄海島まで達しました。
教訓
オートパイロットに頼れないと思われる時は、必要な物は手の届く範囲に。
携帯トイレ(ビニール袋に凝固剤が入っているもの)を準備する。
オートパイロットをセットしトイレに駆け込み、レインウェアーを着ます。湾内も
うねりと風は16ノット前後、今までからすると可愛いものです。そのままオート
パイロットに舵を任せ、休憩します。缶コーヒーとパンで昼食を取ります。
15:30無事にハーバーに着きました。emilyを労いスプレーで塩だらけな船体を
洗艇します。グランブルー艇のK先輩が訪ねて来ました。今までのクルージングや
セーリングのエピソードを話してくれ今後の参考になりました。ありがとうござい
ました!楽しめたクルージングでした。次は何処へ行こうかなぁ~。
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